アイシテモ (ページ9)

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それから君と何回も体を重ねた。

君が俺の事をちゃんと見てくれるのは行為をしてる時だけで終われば「ごめんね」って困ったように笑う

分かってる。俺は彼氏なんかじゃない。君の心を癒すための道具なんだってこと。

それでも君を帰したくなくて何度も何度も重ねてしまう。

君は気付いてないけど『可愛い』とか『綺麗たね』とか言ってるのは君だけなんだよ？

君はそんな事も知らずに俺が眠っている間に丁寧なメモを残して消えてしまうんだ。

どれだけ体を重ねようとも、抱きしめようとも君はするりと腕の中を抜けて行ってしまう。

朝起きて君がいないのは分かっているはずなのに、苦痛でいっその事俺しか見えなくしてやりたいなんて事を考えて

俺は君に依存しすぎてしまった。

「これで最後にしよう」なんて言わせない。だから、君が来たら唇を塞ぐ。俺から離れようなんて許さない。

君はどれだけ傷つけられてボロボロになっても俺がどれだけ癒そうとも振り向いてくれない。

体を重ねて2人で寝て朝目覚めたら君はいない。

そんな生活を3年近く引きずっている。

君が彼氏と仲直りしたのかもどこで働いているのかも分からない。

ただ君が傷ついた時に体を重ねている、それだけの関係になってしまった。

“お互いに苦しいならやめな”バイト先の友達から言われた。苦しいんじゃない。心のどこかでこの関係を辞めたくないって思ってる自分がいる。

好きな人なら幸せになって欲しい、そう思うけれど俺にはそんな感情はない。

ただどす黒い闇に飲み込まれてしまっただけなんだ。