アイシテモ (ページ3)

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「嘘でしょ、」

私の声が思った以上に大きかったのか2人がこっちを見た。

翔太は私だと気付いたのかすぐに目を逸らし足早に女の人とホテルの中へ入っていった。

嘘でしょ。だって、まぁ確かにこんなキャバクラとかホストとかあーゆー系の店がある所とは言え、こんな場所でホテルとかもう絶対そうじゃん。

「意味わかんないし、」

今から自分の家引き返そうか迷ったけど今の時間帯じゃ終電間に合わないしもういいやってなって、でも今更翔太の家に行っても意味ないし歩くのも疲れたなぁなんて思って路地裏に座り込んだ。

それから何時間が経ったんだろう。

多分夜中の０時は過ぎたかななんてぼんやり考えていたら

『こんな所で何してんの。おねーさん』

と声をかけられた。

「…別に、何も。」

我ながらぶっきらぼうな返事だなぁって思う。

まぁ、相手は知らない人だしね？

『こんな所に座り込んじゃって。男に捨てられた？』

『あ、もしかして当たり？』なんて言ってニヤニヤしながらしゃがみこむ姿を見てイラッとして

「違います。」

なんて返してやった。

こいつにはデリカシーってモノがないのか。

少なくとも翔太なら少し気を使ってくれたもん…って、あいつのこと考えるのはやめよ。

『あああ。もうそんな顔しないで。せっかくの可愛い顔が台無しだよ？』

「そんなクサイセリフ初めて言われました。」

『真顔でそんな事言われるのも初めてかな笑』

男の人は『ははっ』と笑って私の目線と同じくらいの高さに合わせる

『んで、家は？』

「いや、もう終電に間に合わないので」

『彼氏とかの家は？』

こいつ、1番痛いところをつきやがった。

「今さっき別れたばっかです。」

『やっぱり捨てられたんじゃん笑』

「そんなんじゃないです！なんて言うか、私が一方的にと言うか」

「とりあえず家はありません！！」

『それはさ、誘ってるの？』

「は？」

急な言葉なビックリして顔を上げる

視線が絡み合う。彼の瞳に吸い込まれそうになりながらなんとか意識を保ち聞く

「どういう、こと？」

『そのまんまだよ。』

『そんな所にいたら、』

“お持ち帰りしちゃうよ？”

その言葉を聞いた瞬間、私の意識は途絶えた。